右手中心のWebとの接点。付随する左手。

これは、Web Accessibility Advent Calendar 2017の4日目です。

はじめに

この投稿では、上肢障害者である私のWebへのアクセスの方法を紹介します。

まず、上肢障害とは、上肢・手指に機能全廃や欠損等がある状態を指します。
身体障害者福祉法施行規則別表第5号では、障害の種類別に重度の側から1級から6級の等級が定められています。

肢体不自由の等級ごとの状態については、長野県立総合リハビリテーションセンター 「身体障害者障害程度等級(肢体不自由)上肢・下肢(機能全廃、欠損等の参考図)」が参考になります。

私の場合、3級の「一上肢のすべての指を欠くもの」に相当します。先天性の左上肢手指欠損(指が形成不全の状態)があり、仕事や私生活でWebにアクセスする際には、主に右手で、デバイス(PCやスマートフォン)を操作しています。以下に、私が使用するデバイスでのWebへのアクセス方法を紹介します。

PCでのWebへのアクセス

PCでブラウザを使用しWebにアクセスする場合について
Web上のオブジェクト(リンク、ボタン等)を選択する場合は、マウスを右手で操作し選択します(ノートPCの場合はトラックパッド)。その際、左手は使用しません。
フォームの入力コントロール(テキストフィールド、テキストエリア)に文字を入力する場合は、キーボードを右手で操作し入力します。左手はショートカットキー(注1)を使用する際に、右手の補助として、左手の平で1つのキーをクリックします。
両手を使用することができ、キーボードの操作に慣れている方は、オブジェクトの選択、文字を入力する際には、主にキーボードを使用し、ショートカットキーを活用されていると思います。

(注1) ショートカットキー

ショートカットキーとは、キーボードを使ってパソコンの操作を簡単に行うための機能です。ショートカットキーを使用すると、キーボードから手を離してマウスに持ち替える必要がないので、文書の編集を行っている場合などに効率よく作業を行うことができます。 マウスを使用することが難しい方や、支援技術を使用して入力を行う方の手助けとなります。キーボード ショートカット キーの一覧 | マイクロソフト アクセシビリティ

モバイル(スマートフォン)でのWebへのアクセス

スマートフォンのブラウザを使用しWebにアクセスする場合について
Web上のオブジェクトを選択したり、フォームの入力コントロールに文字を入力したりする際は、右手のみで操作します。その際、左手は使用しません。スマートフォンのソフトウェアキーボード(注2)は指でタップすることを前提としており、操作するのが困難なためです。

私は、iPhone 7 Plusを使用していますが、幅が8cm近くあるため、文字を入力する場合、右手の指が端のキーに触れるのが困難です。
今週リリースされた、iOS 11では標準で片手用キーボード(注3)がサポートされたため利用しています。
片手用キーボードは、両手を使用できることができる方でも手が小さめの方には便利な機能だと思います。(Android OSでは以前からサポートされています)

(注2)ソフトウェアキーボード

ソフトウェアキーボード、とは、本来キーボードで行う入力処理をソフトウェアで実現したものである。画面上にキーボード(文字パレット)の形を表示し、マウス、ペン、十字キーなどで各キーを指定して文字入力を行なう。
ソフトウェアキーボード

(注3)片手用キーボード
ITmedia Mobile「iOS 11の片手用キーボードは使いやすい?」

おわりにとこれから

上肢障害者(私の場合、先天性左手指指欠損)のWebへのアクセス方法について紹介してみました。私は普段使用しないので紹介しませんでしたが、2つ以上のキーを同時に押すことが困難なユーザー向けに、Windowsの場合、「固定キー」、Macの場合「複合キー」機能が用意されています。(私が使用しないのは、片手で操作することに慣れてしまったためです)

これからについて
私は普段、仕事でプログラミングもしているので、プログラムの開発環境(IDEやエディタ)の操作についても書いてみたいと思います。開発環境の操作においてはキーボード操作(ショートカットキーが操作できると生産性が向上)が要になるので、「固定キー」や「複合キー」を使用して、片手での操作性向上ができないかについて調べて書いてみたいと思います。
また上肢障害といっても人によってさまざまなので、今後、上肢障害を持つ人のWebへのアクセスについても調べてみたいと思います。
最後にアクセシビリティとは特定の誰かのためではなくあらゆる人に提供されるべきものであると私は考えています。Webとは人や情報との接点だと思うので、そのことを常に意識し続けようと思います。

明日5日目は、mackey405さんの記事です。

Microsoft Cognitive Services の Computer Vision API で画像の説明情報を取得する。

これは、Web Accessibility Advent Calendar 2016 の15日目の記事です。
この記事では、画像の説明情報をMicrosoft Cognitive ServicesのComputer Vision APIで取得する方法とその結果(一例)を紹介します。
インターネットに散らばる画像には、説明が付与(Webサイトの例だと画像の代替テキストを示すalt属性)されていないことが多く、画像から説明情報を自動で取得できないかなと思っていたところ、先日(JJUG CCC 2016 Fallの寺田佳央さん(日本マイクロソフト株式会社)のセッション「JAX-RS REST ClientでCognitive ServiceやExcelを操作しよう」)、Microsoftが画像の説明情報を抽出するAPIを提供していることを知ったので試してみました。

Microsoft Cognitive Servicesとは

Microsoft がクラウドで提供する、人工知能アルゴリズムを取り入れた視覚、音声、言語および知識に関するサービスです。
Cognitive Servicesの概要は、 Microsoftの以下のサイトをご参考ください。
Microsoft Cognitive Services を始める ~ 全21種のサービス概説と開発準備
Cognitive Services—インテリジェンス アプリケーション | Microsoft

Microsoft Cognitive Services: Introducing the Seeing AI project

寺田さんがセッションで紹介されていた動画です、視覚に障害を持つMicrosoftの開発者の方が街やオフィスで、視覚API(顔、画像、感情認識可能なサービス)や音声API(アプリケーション内で音声言語を処理)を活用されている様子がご覧になれます。


Saqib is a core Microsoft developer living in London, who lost the use of his eyes at age 7. He found inspiration in computing and is helping build Seeing AI, a research project that helps people who are visually impaired or blind to better understand who and what is around them. The project is built using intelligence APIs from Microsoft Cognitive Services (www.microsoft.com/cognitive). Access the audio description version of this video at https://youtu.be/3WP7Id8SxYQ

Computer Vision API で画像の説明情報を取得する

サンプルプログラムを作成してみましたので、後程、追記します。

ひだりがわ、はじめました。

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小学校への通学路。奥に見えるのは鉄工所。登校時に、おじさんおばさんたちが、「いってらっしゃい」とあいさつをしてくれた。「いってきます」とぼくたち。雑種の大きな黒い犬がいた。鎖にも繋がれて、おとしなかったけれど、大きさがこわくて、少し距離をおいて、皆で走り抜けた。学校は数年前に廃校になった。